DETARAME THOUGHTS

NO MUSIC NO LIFEな一般男性による音楽雑談

2020年 下半期ベスト20(楽曲編)

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アルバム・ミニアルバム編はこちら

年間ベストのまとめはこちら。 

 

下半期はアルバムもさることながら、シングルも豊作だったので、かなり絞るのに苦戦した。

 

 

20位:WANDS「真っ赤なLip」

真っ赤なLip

真っ赤なLip

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オシャレで華やかなサビとジャジーでオトナなABメロの対比がかっこいい。ギターソロをはじめ、ハードロック的なサウンドも取り入れられているのが面白い。

 

19位:The HU「Sad But True」

Sad but True

Sad but True

  • The Hu
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

昨年大バズリした、モンゴルの伝統的な楽器や歌唱法をメタルやロックに組み合わせた独特なスタイルを持つバンド。そんな彼らがまさかのMetallicaのカバーをリリース。原曲の構成を保ちつつ、しっかりとThe HUとしてのアイデンティティを落とし込んでいて(歌詞もモンゴル語になっている)はっきり言ってカッコ良すぎる。

 

18位:人間椅子無限の住人 武闘編」

無限の住人 武闘編

無限の住人 武闘編

  • provided courtesy of iTunes

人間椅子らしい疾走感溢れるハードロック。20数年ぶりに再び『無限の住人』とタイアップすることになった曲だが、やはり彼らの世界観は同作とピッタリだと思う。勇ましさが速いテンポによって倍増している。

 

17位:-真天地開闢集団-ジグザグ「Requiem」

Requiem

Requiem

  • provided courtesy of iTunes

シリアスな曲とネタ曲のフリ幅が凄まじい彼らだが、これはマジメなヘヴィ・ロック。命の歌唱力の高さがやはり素晴らしいが、ヘヴィでありながらキャッチーさや爽やかさも感じられる演奏もクオリティが高い。サビのファルセットが特にかっこいい。

 

16位:DIR EN GREY「落ちた事のある空」

落ちた事のある空

落ちた事のある空

  • provided courtesy of iTunes

キャリアを通して一貫して配信に対して消極的なスタンスをとってきた彼らだが、コロナ禍を受けて初の配信限定シングルをリリース(それでもサブスクではショートバージョンのみなのがある意味さすが)。DIR EN GREYにしては珍しいタイプのグルーヴ感が強いギター・リフが印象的で、個人的には『The Insulated World』で押し進めてきた"シンプルな楽曲構成"路線の一つの完成形だと思う。(まぁ正直『UROBOROS』〜『ARCHE』までの構築美路線に戻って欲しい自分も居るのは確か)

 

15位:安本彩花私立恵比寿中学)「スーパーヒーロー」

2017年以降、生誕ソロライヴで自ら作詞作曲を手掛けた新曲を披露しているが、今年は「カレーライス」と「スーパーヒーロー」の2曲を披露。どちらも彼女らしい優しさが感じられるような歌詞と、(外部アレンジャーの手が加わっているとはいえ)プロと言っても遜色ないクオリティのトラックで構成されている。そのうちの「スーパーヒーロー」は特に優しさ/温かさにあふれていて、(解釈はいろいろあれとは思うが)アイドルとして活動していくという覚悟が強く感じられる内容の歌詞が胸を打つ。

ニュースでも報じられた通り、このライヴの約2週間後に彼女は悪性リンパ腫と診断されたこと、及び治療のために休業することを発表した。ファンは祈ることしかできないが、本人の前向きなコメント、そして後日公開されたこのライヴ映像を観て元気づけられた人も多いはず。もう自作曲も5曲となっているので、元気に戻ってきたら是非正式な形でリリースして欲しい。

 

14位:ヤなことそっとミュート「遮塔の東」 

遮塔の東

遮塔の東

  • ヤなことそっとミュート
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

最新アルバムのラストを飾る壮大な曲。浮遊感ともちょっと違うなんとも形容し難い不思議な空気感のサウンド(強いて言うならシューゲイザー系)。個人的には武道館のような会場で徹底的に作り込まれた演出で観てみたい曲。ライヴでもセットリストの最後が似合うと思う。この曲で締めくくってそのまま無言でステージを去ってほしい。

 

13位:Ailiph Doepa「Fairy in my mouth」

Fairy in my mouth

Fairy in my mouth

  • Ailiph Doepa
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

うざいくらい甘ったるいポップさとヘヴィさの極上のハーモーニー。このバンドはやはり頭がおかしいが(褒めてる)、 このパターンは個人的には新境地に感じた。ライヴでも摩訶不思議なフロアのノリが新たに生まれるのが想像できる。

 

12位:Crystal Lake「DISOBEY」

DISOBEY

DISOBEY

  • Crystal Lake
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

ここ数年で日本を代表するメタルコアバンドの地位を不動のものにしたCrystal Lakeだが、ここでさらにワンランク上のヘヴィさを叩きつけてきた。メタルコアとデスコアの境界線を渡り歩いているような桁違いの破壊力が清々しい。

 

11位:BAND-MAID「Different」

Different

Different

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来月発売の新アルバム『Unseen World』からの先行シングル。前前作『WORLD DOMINATION』ではアグレッシブなハードロックを、前作『CONQUEROR』ではそこから楽曲の幅を広げたが、ここで「Screaming」を彷彿とさせるテクニカルな疾走曲を投下してくるとは。演奏力、表現力、独創性、どれも成熟していると言える段階まで来ていて、アルバムに対する期待値が爆上がりする1曲。

 

10位:NOCTURNAL BLOODLUST「REM」  

REM

REM

  • NOCTURNAL BLOODLUST
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

オシャレでチルいイントロから激烈ヘヴィサウンドに突入する構成はかつての「NG+」や「PROVIDENCE」を彷彿とさせる。そういう意味で最新作では一番"あの頃"のノクブラっぽい曲と言える。他の曲が(もちろんかっこいいが)正統派メタルコア寄りなのに対し、この曲がミクスチャー成分を持っている点で、かつてのノクブラとの繋がりを感じられる。新メンバーの持ち味も活かしつつ、今後もこういう実験的な曲も作り続けて欲しい。

 

9位:DEZERT「Your Song」 

Your Song

Your Song

  • DEZERT
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

近年の彼ららしいメロディアスで切なさも感じられる疾走ナンバー。初期のドス黒いヘヴィネスを求める人にはやはり物足りないだろうが、千秋のヴォーカルの表現力が増していることもあり、こういう楽曲の説得力も強まっている。イントロのギターリフがかなり特徴的で耳に残るのも良い。

 

8位:私立恵比寿中学「23回目のサマーナイト」 

23回目のサマーナイト

23回目のサマーナイト

  • provided courtesy of iTunes

正直、『playlist』の比較的"大人路線"の楽曲たちからファンになった身としては、この曲を最初に聴いた時はあまりピンとこなかった。今聴くとこの曲も十分"大人路線"なのだが、当初は"可愛い系"に聴こえた。ただ、ライヴや映像作品などで普段あまり聴かない初期の本当に"可愛い系"の楽曲を聴いてから一気に感じ方が変わった。これは今の彼女たちだからこそ表現できる優れたポップスだ。

 

7位:Flesh Juicer(血肉果汁機)「太子哥 / GOLDEN TAIZI BRO」

厳密に言うとまだリリースされていないが(2021年元旦にアルバムが発売)、12月上旬にMVが公開されて以来、ヘビーローテーションが止まらないくらいハマっている。以前の彼らと比べればかなりキャッチーな部類の楽曲だが、それらの要素自体は以前からYouTube上で公開しているカバー曲などで垣間見えていたので、悪い意味での衝撃は無い。メロディアスな数々のフレーズが台湾語の歌唱(部分的に英語)と相まって非常によく耳に残る。

 

6位:Eskimo Callboy「Hypa Hypa」

Hypa Hypa

Hypa Hypa

  • Eskimo Callboy
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

(厳密に言うと上半期にシングルとして既に配信されていたが)下半期に入ってインターネットで大バズリした楽曲の一つ(公開から半年で900万再生超え)。新ヴォーカルが加入して一発目だが、期待を大幅に上回る出来。彼ららしいパーティー感が過去一で強く出ていて、尋常じゃないくらいキャッチー。そこにメタルコアをガッツリとはめ込むことができる技量はさすが。こんなシリアスさの欠片も無いギャグ曲を作りながら、やろうと思えば普通に良質でシリアスな曲も書けるからずるい。新ヴォーカルのNicoは正直前任のSushiより遥かに巧い上に表現力も抜群。アウトロの様々なシャウト/スクリームの畳み掛けも面白かっこよくて好き。自由すぎるドイツを代表する天才バカ集団(褒めてる)の今後に期待せざるを得ないような名曲。

 

5位:SUSHIBOYS「DA-DA-DA」

DA-DA-DA

DA-DA-DA

  • SUSHIBOYS
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

SUSHIBOYSの楽曲としては珍しくバンドサウンドをループさせたビートを使用していて、それが抜群にかっこいい。彼らにラップ・ロック的な楽曲を作ってほしかった身としては願ったり叶ったり。畳み掛けるラップも気持ちいいし、時間的にコンパクトな長さのおかげでサラッと聴けるのが良い。スシボの楽曲で個人的には5本指に入るくらいの名曲だと思う。

 

4位:Spiritbox「Holy Roller」

Holy Roller

Holy Roller

  • Spiritbox
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

下半期にネット上で大バズリした曲その2(現在160万再生超え)。強烈すぎるスクリームを披露する女性ヴォーカル、シンプルで洗練された楽曲構成、どれをとっても衝撃的。これも楽曲の長さがコンパクトなため、何回もリピートしてしまう。この曲のヘヴィネスの中毒性が半端じゃない。

後にCrystal LakeのRyoをフィーチャリングした別バージョンもリリースされたが、破壊力がさらに増している。

 
Holy Roller (feat. Ryo Kinoshita)

Holy Roller (feat. Ryo Kinoshita)

  • Spiritbox
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

3位:Bring Me The Horizon「Kingslayer (feat. BABYMETAL)」

Kingslayer (feat. BABYMETAL)

Kingslayer (feat. BABYMETAL)

  • Bring Me The Horizon
  • ハードロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

世界基準でロック及びヘヴィ・ミュージックの最前線に君臨するトレンドセッター的バンドに日本のアイドル文化出身のBABYMETAL(現在の彼女たちがアイドルか否かは別として)がフィーチャリングの対象として呼ばれているという事実が、どれだけ日本の音楽シーンにとって素晴らしいことかイマイチ理解されていないのがもどかしい。新譜はBMTHがコロナ禍での社会情勢等からくる鬱憤やモヤモヤした感情を反映させた、久しぶりに真正面からヘヴィ・ミュージックに挑んだ作風だったが、この曲はそれが特に色濃く現れている。ガッツリとグロウルを披露するOliverや、約7年ぶりに登場するメタルコア的なブレイクダウンも素晴らしいが、それらとは正反対の要素とも言えるBABYMETALによるポップなサビが絶妙な対比を生んでいるのが非常にかっこいい。全体的に疾走感が堪らないが、特に最後のサビの後のシンセフレーズに鳥肌が立つ。

 

2位:Crystal Lake「Into The Great Beyond」

Into The Great Beyond (Re-Recorded Originally from Into The Great Beyond 2010)

Into The Great Beyond (Re-Recorded Originally from Into The Great Beyond 2010)

  • Crystal Lake
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

初代ヴォーカルのKentaro "Veron" Nishimura在籍時の代表曲を現編成で再録したもの。今のメタルコアにはあまり無いシンプルさやストレートなエモーショナルさが、現代の技術/音質で蘇っている。テクニック面で言うと現ヴォーカルのRyoの方が前任より圧倒的にハイレベルなこともあり、原曲よりも(個人的には)説得力が大幅に増していると思う。一瞬ではあるが、4:38にKentaroがスクリームで登場するが、胸が熱くなる。(Kentaroは再録アルバムの別の楽曲でガッツリとフィーチャリング参加しているので、こちらはおまけ的なもの)

 

1位:MUCC「明星」

こちらも厳密に言うとまだリリースされていない(来年リリース予定のベストアルバムに収録予定)楽曲だが、11月からライヴで披露されている上に、2020年のMUCCを語る上では避けては通れないくらい重要な意味合いを持つ曲のため、入れないわけにはいかない。

 

12月2日に結成時からのドラマーSATOち が来年春を持ってバンドを脱退し、音楽活動を引退することが発表された。1999年以降、不動のメンバーでやってきたMUCCの編成が崩れるということ。元々は高校時代の友達同士で組んだバンドが、"仕事"になっていく中でメンバー同士の関係性も変わっていった。結果的に今回の脱退につながってしまった。

 

SATOち の脱退が決まった後に制作されたのがこの「明星」で、作曲をミヤ、作詞をメンバー全員で行っている。↑の事柄を全部踏まえた上で、メンバーは既に前を向いている。前向きにSATOち を送り出すという方向に。それが反映されているのがこの曲の歌詞で、これがファンとしては涙なしでは聴けない。曲調も初期〜中期を彷彿とさせる哀愁的で疾走感のあるロックなのが刺さる。

 

↑のMVはショートバージョンなので、フルバージョンが出るまでは全体は聴けないが、(特に後半の)歌詞がMUCCからファンへのメッセージとなっていると私は解釈している。

 

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*ツイッターに歌詞を文字起こししたものがあったので画像を拝借した

 

謡え 

笑え

 

別れはまだ数ヶ月先だが、声を大にして言いたい

 

SATOち、そしてMUCCに幸あれ

 


 

まとめ

1. MUCC「明星」
2. Crystal Lake「Into The Great Beyond」
3. Bring Me The Horizon「Kingslayer (feat. BABYMETAL)」
4. Spiritbox「Holy Roller」
5. SUSHIBOYS「DA-DA-DA」
6. Eskimo Callboy「Hypa Hypa」
7. Flesh Juicer(血肉果汁機)「GOLDEN 太子 BRO」
8. 私立恵比寿中学「23回目のサマーナイト」
9. DEZERT「Your Song」
10. NOCTURNAL BLOODLUST「REM」
11. BAND-MAID「Different」
12. Crystal Lake「DISOBEY」
13. Ailiph Doepa「Fairy in my mouth」
14. ヤなことそっとミュート「遮塔の東」
15. 安本彩花私立恵比寿中学)「スーパーヒーロー」
16. DIR EN GREY「落ちた事のある空」
17. -真天地開闢集団-ジグザグ「Requiem」
18. 人間椅子無限の住人 武闘編」
19. The HU「Sad But True」
20. WANDS「真っ赤なLip」